Digital 講座

デジタルカメラ講座(基礎)

【フォトレタッチの基本・モノクロームを創るV】

■ No.8 ■

 モノクロ画像の創り方、その応用としてここでは「Photoshop CS2」を使ってみましょう。ここでも幾つかの方法がありますが、「マスク」を使う方法、「グレースケール」を使う方法、それに「チャンネルミキサー」を使う方法を解説します。


Photoshop CS2(1)

元画像 モノクロ化完成画像
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RAW現像 彩度を上げる
画像拡大できます  RAW現像では、彩度を上げてメリハリをつけておきます。

色相・彩度 彩度と明度を変更する
画像拡大できます  
 「色相・彩度」でマスターを「彩度-100」にしモノクロ化します。次に新緑の樹の「イエロー系+100」明度を上げます。ついでに「ブルー系−100」にして空を濃くします。

トーンカーブ コントラストをつける
画像拡大できます  メリハリをつけるために、暗部を更に暗くし、明部を明るくし、コントラストをつけます。

アンシャープマスク シャープにする
画像拡大できます  印刷を考えて、シャープにします。アンシャープマスクをここでは「しきい値6」「半径1.0」「量100」にしました。
 掛け過ぎると、かえって醜い写真になってしまいます。画面のほとんどを占めている葉っぱの輪郭にだけかける意味で「しきい値」を0ではなく6にしました。
 これくらいでも遠景の甲斐駒ヶ岳にはピントがきません。これは撮影時点に絞りを絞っておくことの方が適切です。


Photoshop CS2 (2)

元画像 モノクロ化した画像(完成)
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RAW現像 彩度を上げる
画像拡大できます  モノクロ化するときは、レタッチをしやすくするために「彩度」を上げます。「自動補正」ではなく、「初期補正」にしておきましょう。
 


 カラー仕上げにする場合は、ここでほぼ完成に近づけます。

色相・彩度 モノクロにする
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 単にモノクロにしただけでは、ねむい感じのメリハリのない写真です。それにメリハリをつけていきます。
 マスターで「彩度」を「-100」にした後、空の影になった「ブルー」の「明度」を「-100」にして濃度をつけます。下部の谷には多少「イエロー」があるので、「明度」を「+100」にします。

マスク/ブラシツール 上の部分と下の部分を分ける
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 画像が、雲の明るい部分と暗い谷の部分がある画像なので、それぞれ分割してレタッチするために片方にマスクをします。
 ツールボックスで矢印の「クイックマスクモードで編集」を選んだ後、「ブラシツール」を選び、筆の大きさ、硬さ、不透明度「100」、流量「100%」にし、大まかにブラシでマスクした後、筆の大きさを小さくし、不透明度「50」くらいにし、画像を拡大し、明るい雲との接する部分を丁寧にマスクします。もし、範囲から外れてしまったら、「消しゴムツール」で消します。

画像描画モードで編集 分割してレタッチする
画像拡大できます  マスクを掛けた後、左の「画像描画モードで編集」をクリックし、暗い谷を先にレタッチします。メニューバーで「選択範囲」「選択範囲を反転」すると、谷だけをレタッチすることができます。
 雲をレタッチするときは、再度「選択範囲を反転」させます。
 一旦選択範囲が消えても、「選択範囲」「再選択」すると選択できます。

トーンカーブ コントラストをつける
画像拡大できます  まず、谷の部分を選択し、かなり暗いので、「トーンカーブ」で左図のように明るくします。
 下(谷)の部分だけが明るくなります。
 上(雲)の部分を補正するときは、「選択範囲」「選択範囲を反転」させ、同じように「トーンカーブ」で補正します。

トーンカーブ 再度行う場合
画像拡大します  それぞれの明るさ、コントラストなどを調整したら、再度画面全体を見て調整します。
 レイヤーのA、レイヤーのBにある各部分のトーンカーブアイコンをダブル九ルックすると、トーンカーブダイアログボックスが現れますので、再度補正します。
 レイヤー@は、モノクロ化したレイヤーです。
 

アンシャープマスク シャープ性を上げる
画像拡大できます  レイヤーを統合した後、最後にアンシャープマスクを掛けます。画像によって掛け方は違ってきます。
 ここでは、雲の影の部分がざらつきがあまり起こらない程度で、なお且つエッジにはシャープ性を高めるために、「しきい値6」「半径1.4」「量130」にしました。


Photoshop CS2 (3)その他のモノクロ化

グレースケール グレースケールによるモノクロ化
画像拡大できます  メニューバーの「イメージ」「モード」「グレースケール」でモノクロに変換します。

チャンネルミキサー チャンネルミキサーによるモノクロ化
画像拡大できます  メニューバーの「イメージ」「色調補正」「チャンネルミキサー」を選択します。すると、左のダイアログボックスが現れます。左下にある「モノクロ」にチェックを入れます。
 「レッド」「グリーン」「ブルー」と「平行調整」のスライダーを微妙に動かし、画像を整えます。ここではほんの少しスライダーを動かしてもかなりの効果がでてしまいますので、注意が必要です。

モノクロ写真創作で注意すること
モノクロ化+レタッチ モノクロ写真創作のポイント
1.RAW現像
2.モノクロ化
3.色相・彩度によるモノクロ化と各色の明るさ調整(コントラストなど)
4.トーンカーブで調子を整える(軟調・硬調・ハイキー・ローキーなど)
5.調整レイヤーを使っての覆い焼き、焼き込み
6.ダブルトーンなどによる統一色(セピアなど)
6.シャープ性を出す(アンシャープマスク・スマートシャープ)

写真に最も相応しい方法でレタッチをする。
●覆い焼きやトーン調整、それにノイズを加えるなどによる作者のイメージを最も大切にする。
●諧調(トーン)を意識して補正する。これを怠るとトーンジャンプを起こしてしまう。
●調整レイヤーによる補正をする。再度やり直したり、必要のなかったレイヤーを破棄したり、色々なことができる。

Photoshop CS2 メーカーサイト


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